松江市周辺お花見情報

 島根県・松江近辺の花見情報。島根県のお花見のページ。

(2002年頃の情報です)


3月:城山下で、県立図書館から掘りを隔てた向こう側に、梅園があります。しかし剪定も悪く、芸術的な梅もなく、種類もバラバラなので咲く時期も一定しておらず、あまり見るべき価値はありません。伯太のチューリップ祭りなどがあります。


4月:一番最初に咲くのは、3月の終わり頃で、千手院のしだれ桜が有名です。しかし、桜の時期は駐車場が一杯なので、城山下にある大手門の駐車場に車を止めて、歩いて行かねばなりません。千手院は、お寺さんで、和尚さんが桜好きのようで、寺内にベンチとかが置いてあり、テレビでも真っ先に紹介されます。大きな白っぽいしだれ桜と、二代目の赤っぽいしだれ桜、何本かのソメイヨシノがあります。死体の養分を吸って、見事な花を咲かせています。
 次は4月の十日頃から、お城祭りがある城山。城山下の大手前駐車場は非常に込みますので、県外からの花見客のみなさんのために大手前以外の駐車場を紹介します。城の真下の大手前駐車場は午後6時以降は無料開放となりますので花見客が利用します。しかし空きを見つけるのは困難です。花見季節は、無料になる前から満杯になり、駐車できません。そこで、その駐車場を西へ行き、3番目の信号を右(北)側に曲がり、5メートルほど走ると、右側に一畑の駐車場があります。5階建てぐらいの駐車場ですので、そこならば、まず空いています。最初の1時間は200円、その後1時間毎に100円アップだったと思います。そこが満杯ということは、まずないのですが(有料だから)、もし満杯だったら、前の信号を左に折れて、その次の信号も左に折れます。その折れた信号の角に日赤の駐車場があります。そこも同じような料金体系で、5階建てぐらいの駐車場ですので駐車できます。
 城山の城門は夜の9:00まで開放されています。それ以降は、下の公園で桜が見れます。城山にはベンチがあっても少なく、照明のない場所もありますので、100円ショップで売っている小さなスノコと携帯用の蛍光灯を持って行くことを勧めます。というのは下が砂利のところが多いので、敷物では尻が痛くなりますが、プラスチックスノコならば砂利から尻が浮き上がり、軽くて便利だからです。なお城内の公園にはトイレがありますが、城門内から下の公園まで降りねばなりません。城門内に臨時トイレが設置されていたりもします。アルコール類は販売していないので持って行かねばなりません。城内はバーベキューや焚き火は禁止。ただ城山の桜は、前は大木が多くて結構きれいだったのですが、現在は若い木が増えています。なんの病気か判らないのですが、天狗巣病になっているとも思えないのに枝を切り、傷口にセメントを塗り込んである木もあります。それが少々残念ですが、大阪造幣局の立ち止まれない桜よりは、木下でお弁当を食べられる城山の方がましです。
 その次は、尼子で有名な広瀬の月山や、安来市の社日公園玉湯町の土手(玉造温泉)木次の土手などが有名ですが、ちょっと松江から離れています。松江城の桜は、バサバサ枝を切られていますが、広瀬月山の川沿いには、直径1メートルぐらい、幹の周囲が3.14メートルぐらいある二本の桜が、河原に向かって枝を伸ばしています。こうした松江城にはない巨大桜も、月山の魅力です。また山には、あまり人の来ない桜山があります。その桜の量は、城山の桜より勝ると思います。とはいえ、雪が積もった年の春は、光るテープを巻いて小鳥に蕾を食べられないようしている城山が当たりはずれがなくていいでしょう。
 サクラの穴場と言えば、東出雲町の運動公園。駐車場も完備されています。
 国道9号線を松江から安来に行くと、東出雲町の東揖屋信号の少し先、松江から行くと左手に曲がる道があります。坂を登ってすぐのところです。目標は「うなぎ屋源内」ですが、もう少し行くと「山陰中央新報」があります。中央新報まで行ったら、行き過ぎです。 そこから細い路地を入り、坂の上でカーブになった広場が運動公園です。駐車場は50台ぐらい入るでしょう。サクラは30年ぐらい経ていると思います。


 5月:なんと言っても由志園の牡丹。入場料は600円ですが、払っただけの価値はあります。年々拡大し、牡丹の数が増えています。観光バスも多い。ここの牡丹園は見事で、遠く大阪や関西方面からやってくる人もあります。園内には食堂もあります。トイレは園内の休憩所近くにあります。また小屋で朝鮮人参アイスクリームも売っています。2006年のボタンは、寒かったため5月の連休に満開になりました。でも地球温暖化で、ボタンが咲き終わったときの保険として、シャクヤクも沢山植えるようになりました。ただ、万一にも連休中に牡丹が散ってしまった場合、それでも満開の場所があります。それは赤来町。ここは山奥なので、大根島より暖かくなるのが遅く、連休中に牡丹が楽しめるのです。ただ問題は、牡丹1万本という量と、私が行ったことがないため、どんなものか判らない、それと比較的新しい牡丹園、赤来町が合併して町名が変わりそうだということです。でも、赤来町ならば冬は雪に閉ざされるので、連休中に牡丹が咲きます。
 大根島は昔、島だったのですが、中海干拓のため、西は境港、東は大御崎と地続きになってしまいました。以前は人柱で有名な松江大橋の袂から定期船が出ていました。
 大根島は、大根の産地ではなく、実を言うと朝鮮人参の産地だったのです。周辺から見ると、大根の形をしているから大根島と呼ぶと言われていますが、東出雲の揖屋からは観音様が仰向けになったように見えるといっていました。対岸の本庄でも観音様が仰向けになっていると言っていたそうです。だから、どこから見たら大根のように見えるのか不明です。
 昔、江戸時代に現金収入を得るため、松江藩の武士が朝鮮人参の栽培方法を学んで帰り、栽培を島根の農家に依託しました。農家は藩から朝鮮人参の種をもらい、それを栽培して納品し、種ができたら共に返却する方法を採用していたため、「種を御上から預かる」ので、オタネ人参とも呼ばれたそうです。本土の農家では水田ができるので、人参栽培は姿を消していったのですが、大根島では水がなくて稗や粟しか採れないので残ったようです。地続きになってから、夜の闇に紛れてトラックでやってきて、人参を根こそぎ盗んで行く盗賊が現れたため、現在では人参栽培が下火になりました。現在は牡丹栽培をしていますが、人参以外に何か現金収入をと考えた明治時代の島民が、神戸から3本の牡丹苗を買ってきて育てたのが始まりとされています。現在では島を挙げて牡丹を栽培しています。ちなみに島根県の県花は牡丹です。由志園のボタンは写真を撮ったのですが、中国産の十年以上前に買ったカメラ長城が不調でフィルムが巻き戻せず、ボタンの写真はチャラになりました。
 ボタン栽培が島内に広まったため島には幾つかの牡丹園があって、入場料を取っていました。しかし由志園は県外から嫁さんをもらい、牡丹園のあまりのすばらしさに感動し、「これは整備した庭を造って観光客を呼ばねば」と、滝や石庭、池や小川を作りました。すると、それまで県内からパラパラと牡丹園を見に来ていた人たちが由志園に集中し、じょじょに県外にも広まって観光客が来るようになったのです。仁多の「鬼の舌震い」が寂れてしまったのとエライ違いで、ここでは山を登ったりなどのシンドさがなく、楽して料金を払えば美しい牡丹が拝めるので、5月は広い駐車場が満杯になるほど。近くの「スーパーみしまや」に駐車して、入場せねばならないかも。やっぱり地元民には、地元のすばらしさは判らないものです。灯台もと暗し。
 ルートは境港ルートと、大三崎ルートがあります。判りやすくて景色のきれいなのは大御崎ルート。干拓道路を通ると、大根島の入り口に有料の牡丹園がありますが、そこは違います。大根島に着いてすぐ、「みしまや」という看板が見えますので、そっちの方向へ右に折れ、すぐに細い道を左に折れると、左手に大根島の最高峰、標高20メートルぐらいの大塚山が見えます。山頂には郵便年金で温室を建てた年中無開の熱帯植物園と、神社があります。そこを過ぎて、左手の町役場と小学校を過ぎると、恐らく島内最大の押しボタン式でない信号があります。その向こう側に「みしまや」がありまして、ビールお弁当は、そこで買います。その信号を右に曲がれば由志園です。牡丹が終わって中頃から芍薬が咲きます。子供の頃にボタンを見たとき、自分の頭ほどもある花の大きさにびっくりしました。残念ながら、今年は4月下旬がボタンの見所だったようです。連休時分には芍薬が咲いていました。
 ロハで花見をしたい人は、少々遠いですが、関ノ五本松へ行くと良いでしょう。そこは通称ツツジ山と呼ばれており、昔の街道だったそうです。行き方は、国引き道路を美保関バイパスに曲がり、ただひたすら一直線に進むと、急に観光地っぽい土産物ビルのある港に出ます。そこが美保関神社で、その傍らの山がツツジ山です。標高100メートルぐらいと思います。中腹から山頂近くまでリフトがあります。山頂には東屋と慰霊碑があって、ゴミ箱もあります。その小屋で食事をすると良いでしょう。食事は弁当や水を持参せねばなりません。駐車場は港のを利用するのでロハですが、リフトは600円ぐらいかかったと思います。もちろんリフトに乗らなくとも、山道を歩いて山頂に登るルートもあります。しかし下りならともかく、登りはキツイので片道リフトを勧めます。トイレはリフト終点を少し登った左手の小屋です。山頂にはトイレがありませんので、ツツジに隠れて野グソをすることになります。
 ツツジより季節が少しずれますが、清水寺のサツキもいいです。写真は、嫁さんが、自分が写っているから嫌だと申しますので、また今度。



 6月:平田本陣の菖蒲園が有名です。しかし結構遠い。そこで近辺で花見できるところを考えてみたら、楽山とお堀巡りがありました。お堀巡りは、大手門駐車場構内にある建物で、1200円(くらいだと思う、記憶が定かではない)の堀川遊覧の券を買います。それに乗って小舟に乗り、堀川2キロぐらいをグルリ廻ろうというもので、なかなか人気があります。船頭さんは老人ばかり(シルバー年輪センターからの派遣か?)。でも途中で心臓麻痺を起こして死なれても、のんびり進む船だから安心です。日よけが着いています。雨天は運行してないと思います。お堀の水辺には、ピンクや赤のカラー、そして菖蒲が咲いているので、6月がも最も堀川巡りに適した季節といえます。この乗船券は周遊券なので、船を下りるときに渡してはダメです。下りるときに船頭さんに渡して、行きたい場所に行けなくなったりします。これが周遊券だということが意外に知られてなく、そのまま渡して帰る人が多いので残念です。周遊券ですから、一日は誰でも持っている人が乗れます。
 ロハで楽しみたい方。楽山(らくざん)です。楽山という海抜20メートルぐらいの山で、本線の国引き道路から右のパイパスへ入り、学園通りとの信号を渡って、そこから3つ目の小さな信号を右に曲がります。すると坂道になります。通学路なので、朝の7:30〜8:30までは通れません。その山を登る途中で、右手に小さな池が見えますが、それは違います。その坂道を登り切ると、右手に大きな池が広がっています。左手にテニス場がありますが、そこの広場に駐車します。もちろん無料駐車場です。そこから降りて池に向かいます。この楽山は松江の不昧公(ふまいこう)が作った池で、睡蓮がたくさん咲いています。色は白と淡いピンクの二種類です。池中央は土が溜まっているらしく、睡蓮は枯れて草が生えています。池に東屋(亭子)が立っていて、池の中から睡蓮が見れるようになっています。6月初めが菖蒲と睡蓮の季節です。トイレはテニスコートの駐車場にあります。ゴミは持ち帰り。



 7月:ハスですか。蓮も終わりですね。何本もの銅剣が発見された荒神谷遺跡では、3面の田圃をつぶして蓮池にしています。他のハス池としては、斐川町・荒神谷遺跡の大賀ハス大賀ハスのある風土記の丘があります。そこは縦5メートル横4メートルぐらいの四角い池があり、大賀ハスが植わっています。ここには薬用植物園がありますが、そこの植物園には野生の植物が進出し、薬用植物が跡形もなく駆逐されている状態もあります。また、小さいけれど菖蒲園もあります。(追記:今年の春から薬用植園をやめて、新しく花が植えられるそうです。2003年3月現在)
 ハスと睡蓮は、よく似ていて、昔NHKが楽山の睡蓮池に咲いているのがハスだと思いこんで、ハスの開く音を採るんだと張り切って取材にやってきたことがありました。でも植わっているのは睡蓮です。
 ハスの葉はまん丸だけど、睡蓮の葉は切れ込みがあり、ハスは水面から立ち上がるけれど、睡蓮は葉っぱが水面から立ち上がることがあっても、花が立ち上がることはありません。北京の語言学院では、6月になると正門の所に、鉢植えのハスを飾っていて、門番が毎日水を掛けていました。中国には赤白黄色、青と、色とりどりのハスがあり、日本のハスはピンク色と相場が決まっているのに、中国では様々な色のハスがあるのだなと感激しました。中国ではハスを蓮根とはいわず、藕と呼んでいました。
荒神谷遺跡の池 あとは月照寺のアジサイ。ごく普通のアジサイですが、紫陽花の多い寺として有名です。これも7月では少し遅いかなという感じです。月照寺の入場料は400円。嫁は、自宅に立ち葵を咲かそうと言い、私はハイビスカスを植えて島根の7月を飾ろうと思います。



 8月:7月の25日ぐらいから8月の10日ぐらいまでは土日が水郷祭です。要するに花火大会。これは米子市の花火大会と松江市の花火大会の両方を見ようと、日にちを1週間ほどずらしてあります。だから両方とも見れます。そして揖屋の穂掛け祭りは毎年8月28日です。打ち上げ花火もやります。穂掛け祭りの駐車場とトイレ情報は、ここをクリック。ちょっと長くて、鍼灸と関係のない内容なので、ここからしか行けません。
 水郷祭は土曜日はちょびっと、日曜日は本格的に打ち上げます。駐車場は、花見で使った大手門、一畑や日赤の駐車場のほか、駅前を真っ直ぐ走る競艇場のビル駐車場。松江駅南口のホテル駐車場などが使えます。一応は、花火場から最も近い松江市民病院の駐車場も使えますが、花火場から一番近いだけに満杯になっているため、まず行かない方がよいでしょう。できる限りJRを利用し、7時前に松江駅で降りて、駅前の通りを西へ真っ直ぐ一直線に行くと、花火会場です。花火は宍道湖に台を浮かべて作った発射台と、嫁ヶ島から打ち上げる二本立てになっていますが、メインは橋向こうの市役所です。二つの花火が競演するという趣向です。これが松江一番の花。橋南は公園の後ろの路地に酒屋があり、橋北は市役所を北に降りた所の右手に酒屋があります。南は公園、市民病院、NHKのトイレを使うしかありません。むかしは小学校のトイレが使えましたが、今は小学校が消えました。北の穴場は宍道湖に作られた特設ステージの前、南の穴場は宍道湖の嫁ヶ島に歩いて渡れるという砂浜です。大きな地蔵さんが2つあるので判ります。



 9月:花のない季節です。この季節は、特に花見を思いつかないので、パイパス沿いの2つの園芸店を紹介します。国引き道路を入って、左手に安達石油というガソリンスタンドがあります。その向こうに、うどん屋さんとミスタードーナッツがあり、その間に道があります。そこを入ると、うどん屋さんの後ろが花ワールドになっています。かなり広い花屋さんで、結構楽しいです。そこの温室に、様々な花が咲いていると思います。熱帯魚や鳥、サボテンや動物まで売っています。
 もと来た道を戻ってバイパスに戻り、信号を過ぎてから2つ目の信号を過ぎて道路沿いの左に平田生花店があります。ここは変わった花が多く、珍しい緑色の花を咲かせる桜の御衣黄の苗木、様々なしだれ桜を含む桜、梅、ライラック、金グサリ、変わった紫陽花などを売り、栽培方法を研究していたりして、かなりマニアックな花屋さんです。



 10月:紅葉の季節です。大山のナナカマドやモミジが有名です。これは登れば判るので、特に案内はありません。大山寺などが良いでしょう。桜の名所は、清水寺や千手院など、いろいろあるのですが、さすがに10月以降となると有名な寺がありません。
 10月は、私が育てているツボ系食虫植物やマスキプラ(ハエトリ草)の種まき季節です。そしてボタンを接ぎ木したりする時期でもあります。
 ツボ系植物は、ウツボカズラが有名ですが、これは温度管理が重要で、部屋の温度が低すぎると枯死します。温度が高すぎてもいけません。四月頃に挿し木して増やします。バーミキュライトに挿して発根しましたが、壺が付きません。
 ツボ系植物のデオネラは、テレビドラマの「リング」に出てきました。たしか四角い生け花の鉢のような水盤に生えていたような気がします。2月か3月ごろ、根本に丸い玉ができ、それが伸びてきて四月ごろ花が咲きます。花は赤花が多いのですが、中には黄緑色の花が咲く種類もあります。萼が大きくて、5枚の花びらが長く垂れ下がり、雌しべは星形の皿のようです。この星形の皿を取り去ると種ができません。最初は、もういいかげん受精したろうと思って取ってしまったら、皿の元にある雌しべの膨らみが、いつまでたっても大きくなりませんでした。花が咲いて二週間ほどで花びらは散り、皿の裏にある雌しべの根元が丸く膨らんできます。そして萼と雌しべが10月ぐらいまで残り、あたかも花のように見えます。このとき萼を赤いマジックや青いマジックで塗ると楽しめます。そのうちに丸いものがはじけて種が出ます。そのゴマのようなものを湿ったところへ撒くと、3月頃発芽します。ハエトリ草は、五月頃に白い花が咲きます。モウセンゴケ系も、五月ごろに白や紫の花が咲きます。ハエトリ草系やツボ系は、何年でも生きて株分けでも増えますが、モウセンゴケ系は2年か3年ぐらいで、せいが高くなってから枯れました。
 本には、食虫植物は株分けで増やすと書いてあります。しかし種をまいて増やした方が、いろいろな変種もできるし、数も多く増やせます。株分けでは一年に2〜3株にしか増えません。種ならば何百と芽が出ます。ツボ系は、2月頃に発芽して、双葉が出て長靴のような本場が中央から一本出ます。1年目に移植すると枯れます。2年目か3年目に移植します。春先か、秋口に植え替えます。4月から9月までの活動期に植え替えると、まず枯れます。私はずいぶん枯らしました。ハエトリはあまり大きくならないのですが、デオネア系は暖かくなると急激に成長するので、小さなうちは鉢に何本か植えているのですが、5月頃になって急に成長し、「これはまずい、暑くならないうちに分けてしまおう」と考えてしまうのです。2月頃のうちに植え替えなかった馬鹿な私。ツボ系は発芽したときの大きさが2cmぐらいです。ハエトリ草は、種はツボ系なみに小さいのですが、発芽しても小さいです。5ミリぐらいと思います。でも1年で10pぐらいに大きくなります。3年目で花が咲きます。4〜5年で60pぐらいの高さになります。下に広がるタイプも、株の直径30pぐらいになります。
 私のデオネラは、壺の直径7cmぐらい。高さが5〜60cmぐらいにも高くなりました。
 こうした水系は、腰水をすればうまく育ちます。布袋草(ホテイアオイ)も、冬に枯れてしまい、小さなのしか残らなかったので、腰水をして鉢植えしたのです。すると鉢植えではホテイアオイの空気袋がなくなり、スペードの葉のようになって、茎が平べったくなってしまったのです。根を掘り起こしてみると、普通のホテイアオイはヒゲ根がたくさんあるのに、鉢植えでは水栽培のヒアシンスのように根が長く伸びて、ヒゲ根がまったくなかったのです。これはホテイアオイではなくなったと焦り、大きくなったホテイアオイを水に浮かべてみると、空気袋がないため半端な浮き方しかせず、すぐにひっくり返ってしまうので、ウオーターレタスに支えさせるようにしました。帰ってみると小さな子どものホテイアオイを出して支えようとしていましたが、子どものホテイアオイは親より葉っぱが細くなって、まるでヒアシンス状態でした。当然にしてホテイアオイは水に半分沈みながら生きていました。こうなったら水で育てるより、鉢に植えて腰水したほうがよいのかも知れません。
 ハエトリ草やデオネラは、北アメリカの湖の畔が原産なので、腰水をして乾かさない方が育ちがよいのです。肥料は液肥を薄めてやります。シクラメンの吸水式鉢が使いやすいのですが、夏は毎日でも水をやる必要があります。1年ぐらいで鉢一杯に広がるので、植え替えねばなりません。シクラメンを除いて、そのままの土で育てるとよく育ちます。もともと砂地に育っているので、濃い液肥は厳禁です。
 ほかに水系としてカラーがあります。カラーは路地植えでも育ちますが、鉢植えして水に浸けておくと花付きがよいです。菖蒲も同じです。信じられないことですが、食虫植物、カラー、菖蒲は、腰水したままでも根腐れしません。
 話しに聞くと、食虫植物は買ったけれども枯れてしまったという話をよく聞きます。ウツボカズラ以外は、ツボ系、挟み式、トリモチ式ともに寒さに強く、雪さえかからなければ大丈夫でしょう。冬でも腰水して大丈夫です。問題は、少しでも乾かしたり、濃い肥料をやったり、温かい時期に植え替えると枯れるということです。
 私は昔、花もの盆栽が好きでしたが、動いたりする植物も好きで、おじぎ草なども育てていました。おじぎ草は熱帯の植物で、本来は低木樹らしいのです。ただ木になると御辞儀しないそうです。これはトゲがあるので、自然に生やして枯れさせ、翌年に落ちた種から発芽させるのが最善と思います。
 ハエトリ草も、パクッとやるのでかわいいですが、6月ごろに白い花を咲かせ、秋には種ができます。種から育てると、なかなか大きくなりません。寒さに強いので、水さえ切らさねば大丈夫です。雪に埋もれても生きていました。デオネアもハエトリ同様、北アメリカの植物なのですが、種からの生長が早いので、種ができたら取り撒きするといいと思います。ウツボカズラ系は、東南アジア原産で、低温に弱いため冬越しが大変です。それにデオネアやハエトリ草は、小さくとも必ず壺が付いていますが、ウツボカズラは違います。なにか生命力が弱そうで。
 最近はシャクヤクが好きになりました。ボタンは患者さんからしょっちゅうもらっていたので、たくさんありますが、嫁さんのところに生えているシャクヤクが、直径15pぐらいの見事なもので、シャクヤクといったらボタンを接ぎ木するための台木植物と思いこんでいた私は、その八重の花を見て考えが変わりました。私もピンクと黄色のシャクヤクを買い込んで、これでやっと赤白黄色と揃ったなと満足しました。島根のように人口密度の小さな県では、季節ごとに華やかな花を大量に植えて、観光客を呼ぶのがいいかなと思います。



 11月から2月は、島根は冬の季節なので、見るべき花はありません。ベゴニアとホクシャの温室がある松江フォーゲルパークティファニー美術館に行くか、足立美術館や、出雲大社や渚公園など、花以外で楽しめる場所に行くしかありません。足立美術館は、花ではないけれど、芝生と山に見える滝。池を泳ぐ鯉、絵画がきれいです。アメリカでは、桂離宮を抜いて、日本で一番良い庭園と評価されました。

 トップ / 北京堂鍼灸ホーム