2001年6月26日更新

足臂十一脈灸経

[原文]
足。足泰陽。出外踝窶中、上貫膊、出於、枝之下。其直者、貫×、夾脊、××、上於豆。枝顔下、之耳。其直者、貫目内漬、之鼻。其病。病足小指廃、膊痛、痛、産寺、要痛、夾脊痛、×痛、項痛、手痛、顔寒、産聾、目痛、、數疾。諸病此物者、皆久泰陽

[語句]
泰:太。 :脈。窶中:陥中。 膊:の意でフクラハギ。 で膝窩。枝:分支。下:肛門付近。 豆:頭の略字。 顔:額。 内漬:内眦。:攣の略字。 :尻。 寺:痔の略字。 要:腰の略字。 衄、鼻水と鼻血。數:たびたび。 疾:癲疾、癲癇。 久:灸の略字。

[訳文]
足の太陽脈。外踝の陥中に出、フクラハギを貫いて上がり、膝窩に出、臀部で枝分かれする。まっすぐ進むものは、×を貫き、背骨を挟み、××、頭に上がる。枝が分かれて額を下がり、耳に行く。まっすぐ進むものは目の内眦を貫いて、鼻に達する。その病は、足の小指の麻痺、フクラハギの痛み、膝窩の痙攣、臀部の痛み、痔、腰痛、背中の痛み、×痛、うなじの痛み、三叉神経痛、耳聾、目痛、鼻水と鼻血、癲癇。この病のもの、みな太陽脈に灸をすえる。


[原文]
足少陽。出於踝前、枝於骨間、上貫膝外兼、出於股外兼、出脅。枝之肩薄。其直者、貫腋、出於項、耳、出、出目外漬。其病。病足小指次指廃、外兼痛、寒、膝外兼痛、股外兼痛、脾外兼痛、脅痛、×痛、産馬、缺盆痛、聾、痛、耳前痛、目外漬痛、脅外。諸病此物者、皆久少陽

[語句]
骨間:脛骨と腓骨の間。 兼:廉の略字で、端、縁の意味。 脅:脇。肩薄:肩膊、肩甲骨。:後頭部。:脛。 股:大腿。脾:髀の意味で大腿骨頭。 産馬:馬刀瘻、腋窩のリンパ結核。潰瘍。 :瘻の字。耳から膿が出る。:腫の字。

[訳文]
足の少陽脈。外踝の前に出、脛骨と腓骨の間を行き、膝の外を貫いて上がり、大腿外側に出て、脇に出る。その枝は肩に行く。直行するものは腋を貫いて、うなじと耳に出、後頭部に出て、目の外眦に出る。その病は、足の第四趾の麻痺、脛外側の痛み、脛の冷え、膝の外側の痛み、大腿外側痛、大腿骨頭の痛み、脇痛、肩痛、腋窩のリンパ結核、缺盆痛、耳から膿が出る、後頭痛、耳前の痛み、目尻の痛み、脇の腫れ。この病のもの、みな少陽脈に灸をすえる。


[原文]
足陽明。循中、上貫膝中、出股、夾少腹、上出乳内兼、出、夾口、以上之鼻。其病。病足中指廃、痛、膝中、腹、乳内兼痛、×外痛、、數熱汗出、痩、顔寒。諸病此物者、皆久陽明

[語句]
少腹:下腹部。 で咽、咽頭。 :顴、頬。 痩:インポテンス。

[訳文]
足の陽明の脈。脛の中央を循り、膝の中央を貫いて上がり、大腿に出て、下腹を挟み、乳の内側に出て上がり、咽喉に出て、口を挟み、鼻に上がる。その病は、足の中趾の麻痺、脛痛、膝蓋骨の腫れ、腹の腫れ、乳の内側の痛み、喉の腫れ、頬の痛み、鼻水と鼻血、しばしば発熱して汗が出る。インポテンス、三叉神経痛。この病のもの、みな陽明脈に灸をすえる。


[原文]
足少陰。出内踝窶中、上貫膊、入、出股、入腹、循脊内×兼、出肝、入舌×。其病。病足熱、膊内痛、股内痛、腹街、脊内兼痛、肝痛、心痛、煩心、××××舌輅×旦尚×××数、牧牧耆臥以。諸病此物者、皆久足少陰

[語句]
:脇。 :繋の略字。 腹街:気街、気衝。 :衄。 :喝。ゼイゼイいう。牧牧:黙々。 :咳。

[訳文]
足の少陰脈。内踝の陥中に出、フクラハギを貫いて上がり、膝窩に入って、大腿に出、腹に入り、背骨の内側を循り、肝に出て、脇に入り、舌×につながる。その病は、足の発熱、フクラハギ内側痛、大腿内側痛、腹部の気衝、背骨の内側の痛み、肝痛、心痛、心窩部の煩悶、衄××××舌輅×さらに×××ゼイゼイいい、横たわって咳をする。この病のもの、みな足の少陰脈に灸をすえる。


[原文]
足泰陰。出大指内兼骨蔡、出内踝上兼、循内兼、×膝内兼、出股内兼。其病。病足大指廃、内兼痛、股内痛、腹痛、腹張、復×、不耆食、善意、心×、善肘。諸病此物者、皆久足泰陰

[語句]

大指:親指。 蔡:際の字。 張:脹の字。 耆:嗜の字。 意:噫の字。ゲップ。善肘:腹中の病気。

[訳文]
足の太陰脈。足親指骨際の内側に出、内踝の上側に出、脛の内側を循り、膝の内側に上がり、大腿内側に出る。その病は、足の親指の麻痺、脛の内側の痛み、大腿内側痛、腹痛、腹脹、吐き気、食欲不振、ゲップ、心窩部の煩悶、腹中の病。この病のもの、みな足の太陰脈に灸をすえる。


[原文]
。循大指間、以上出内兼、上八寸、交泰陰、×股内、上入間。其病。病痩、多弱、耆飲、足柎、疾。諸病此物者、皆久
皆有此五病者、有煩心、死。三陰之病亂、不過十日死。如人參舂、不過三日死。絶如食頃、不過三日死。煩心、有腹張、死。不得臥、有煩心、死。唐泄恒出、死。三陰病雜以陽病、可治。陽病北如流湯、死。陽病折骨絶筋而無陰病、不死。


[語句]
:厥の当て字。 間:陰部。 足柎:足で足背の意味。 の略字。弱:溺の略字で尿。 :循。 人參舂:三人で臼をつく。食頃:食事をする間の時間。北:背の略字。

[訳文]
足の厥陰脈。親指の間を循り、フクラハギ内側に上がって出て、八寸上がったところで太陰脈と交叉し、大腿内側を循り、上がって陰部に入る。その病は、インポテンス、多尿、喉が渇く、足背の腫れ、痺れ。この病のもの、みな厥陰脈に灸をすえる。この五病に、心窩部の煩悶が加われば死ぬ。三陰経脈の病が一緒に現れると、十日のうちに死ぬ。脈が乱れていれば三日で死ぬ。脈がしばらく止まれば、三日のうちに死ぬ。心窩部が煩悶して腹脹すると死ぬ。横になれず、また心窩部も煩悶すると死ぬ。下痢が続くと死ぬ。三陰病に、陽病が混じっていれば治療できる。陽病で背中に汗が湯のように出ると死ぬ。陽病の骨折や筋が切れただけで、陰病のないものは死なぬ。


[原文]
臂。臂泰陰。循筋上兼、以奏臑内、出夜内兼、之心。其病。心痛、心煩而意。諸病此物者、皆久臂泰陰

[語句]
臂:前腕。 奏:走る。 臑:上腕。 夜:腋の略字。

[訳文]
手。手の太陰脈。筋の上側を循り、上腕の内側を走り、腋の内側に出て、心に行く。その病は、心痛、心窩部の煩悶とゲップ。この病のもの、みな手の太陰脈に灸をすえる。


[原文]
臂少陰。循筋下兼、出臑内下兼、出夜、奏脇。其病。脇痛。諸病此物者、皆久臂少陰

[訳文]
手の少陰脈。筋の下側を循り、上腕内側下縁に出、腋に出、脇に走る。その病は、脇痛。この病のもの、みな手の少陰脈に灸をすえる。


[原文]
臂泰陽。出小指、循骨下兼、出臑下兼、出肩外兼、出項×××目外漬。其病。臂外兼痛。諸病此物者、皆久臂泰陽

[訳文]
手の太陽脈。小指に出、尺骨下縁を循り、上腕下縁に出、肩の外側に出て、うなじに出、×××、目の外眦に出る。その病は、前腕外側痛。この病のもの、みな手の太陽脈に灸をすえる。


[原文]
臂少陽。出中指、循臂上骨下兼、奏耳。其病。産聾、×痛。諸病此物者、皆久臂少陽之

[訳文]
手の少陽脈。中指に出、橈骨の内側を循り、耳に行く。その病は、耳聾、頬痛。この病のもの、みな手の少陽脈に灸をすえる。


[原文]
臂陽明。出中指間、循骨上兼、出臑××上、奏、之口。其病。病齒痛、××××。諸病此物者、皆久臂陽明

[訳文]
手の陽明脈。中指の間に出、橈骨の外側を循り、上腕外側に出て上がり、後頭部に走り、口に行く。その病は、歯痛、××××。この病のもの、みな手の陽明脈に灸をすえる。

[原文]
上足六、手五。

[訳文]
上に述べたのは、足脈が六つ、手脈が五つ。


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