鍼灸大成

原文全文公開

  鍼灸大成 目次「翻訳して」という声が多いため翻訳販売しています。CDRに焼いて現金販売して欲しいという声があり、要望に応えて現金でも販売することにしました。十巻分の千円に送料が加わりますので、とりあえず1200円で販売します。また現金書留での振り込みは金額が張るため、郵便振替口座を作りました(郵便局へ行けば無料で開設できます)。これなら70円、ATMなら60円で現金を送れます。口座番号は00140-5-297911、加入者名は淺野周です。通信欄へ連絡内容を書いて貰えば結構です。こちらは十巻セットでしか販売できませんので、あしからず。CD版の鍼灸大成は、結構誤字もあります。しかし原文を参照しながら読むという前提のため、出版したものと少し違います。サンプル 
 ところでソニー電子ブックのデーターディスクマンが壊れたと弟子に言ったら、「先生は、まだサンヨーのワープロをお使いですか!」とバカにされました。
 口惜しいので、サンヨーワープロのフロッピーを、現代のDOS16に変換します(私のはMS-25ですが、変換用に550も持っています。550は使いにくいので、変換にしか使っていません)。サンヨーワープロで作った文章をパソコンで仕方なく見たい方、お手伝いします。ちなみにワープロは2000年前に生産中止です。
 CDRとかダウンロードでなく、本にしてくれという要望もありました。
三和書籍が出版したいということで書籍になりました。それが『鍼灸大成』です。
 なお原文が分厚いものとなるため「原文→読み下し文→現代文」という、一般漢文の手順を省き、普通の翻訳形式で訳しました。
 ここでは『鍼灸大成』の原文が欲しい人のために、私がワープロで打ち込んだ『鍼灸大成』の
原文を無料で提供します。
 ここに掲載したのは目次のみなので、原文はリンクをクリックして印刷してください。
 私が『鍼灸大成』を翻訳したことについて、役不足だとか、「this is a pen」式の訳だとか、誤訳があるという意見もありますが、『鍼灸大成』が完成して400年、明治になってから100年以上経ているのに、鍼灸の最高傑作と呼ばれる『鍼灸大成』の翻訳書が、日本だけにないのは鍼灸国日本として恥ずかしいことではないかと思い、役不足とは思いましたが、とりあえずカラオケでも下手が唱えば、次は上手が唱いたくなるだろうということで翻訳しました。だから私に不明な部分もあり、注をつけて「こういうことじゃないか?」としている部分もあります。なにせ私は古典でなく、現代中国語の翻訳者ですから。
 なお英語、ドイツ語、フランス語には翻訳されているそうです。インターネットで「是非とも『鍼灸大成』が読みたいので、翻訳してください」とのメールを受け取り、恥ずかしながら翻訳しました。
 はやく誰かが『鍼灸大成』第2弾を翻訳出版してくれないかなぁ。
不明部分のない『鍼灸大成』が、1日も早く出版されることを望みます。


 
大成巻一
 鍼道源流。鍼灸直指(素問)→鍼灸方宜始論→刺熱論→刺瘧論→刺咳論→刺腰痛論→奇病論→刺要論→刺斉論→刺志論→長刺節論→皮部論→経絡論→骨空論→刺水熱穴論→調経論→繆刺論→経刺論→巨刺論→手足陰陽流注論→衛気行論→診要経終論→刺禁論→刺法論。難経。

 
大成巻二
 周身経穴賦→百症賦→標幽賦→席弘賦→金鍼賦→玉龍賦→通玄指要賦→霊光賦→蘭江賦→流注指微賦。

 
大成巻三
 五運主病歌→六気為病歌→百穴法歌→十二経脈歌→玉龍歌→勝玉歌→雑病穴法歌→雑病十一穴歌→長桑君天皇秘訣歌→馬丹陽天皇十二穴治雑病歌→四総穴歌→肘後歌→回陽九鍼歌→鍼内障秘歌→鍼内障要歌→補瀉雪心歌→行鍼総要歌→行鍼指要歌→刺法啓玄歌→鍼法歌。策(問答集)→諸家得失策→頭不多灸策→穴有奇正策→鍼有深浅策。

 
大成巻四
 背部兪穴歌→腹部中穴歌→中指取寸。『素問』九鍼論→九鍼式→製鍼法→煮鍼法→暖鍼法→火鍼→温鍼→治折鍼法。『内経』補瀉→『難経』補瀉→『神応経』補瀉・瀉訣直説・補瀉訣直説→南豊李氏補瀉→四明高氏補瀉→三衢楊氏補瀉。生成数→経絡迎随、設為問答→禁鍼穴歌→禁灸穴歌→太乙歌→尻神禁忌→人神禁忌。

 
大成巻五
 十二経井穴→井兪原経合歌→井兪原経合横図→徐氏・子午流注・逐日按時・定穴歌→十二経・納干支歌→流注図→論・子午流注法→流注開闔→流注時日→臓腑・井兪経合主治→十二経・是動・所生病・補瀉迎随→十二経之原歌→十二経病・井兪経合・補虚瀉実→十二経・気血多少歌→十二経・治症・主客原絡→霊亀取法・飛騰鍼図→九宮歌→八法歌→八法交会八脈→八法交会歌→八法交会八穴歌→八脈配八卦歌→八穴配合歌→刺法啓玄歌→八法五虎・建元日時歌(子午流注開始の計算法)→八法逐日干支歌(子午流注の計算)→八法臨時干支歌→推定・六十甲子日時穴開図例→八脈図・並治症穴→八法手訣歌。

 
大成巻六
 五臓六腑→十四経脈・長短尺寸→臓腑十二経穴・起止歌→手太陰経穴主治・手太陰肺経穴歌・考正穴法→手陽明経穴主治・手陽明大腸経穴歌・考正穴法→足陽明経穴主治・足陽明胃経穴歌・考正穴法→足太陰経穴主治・足太陰脾経穴歌・考正穴法→手少陰経穴主治・手少陰心経穴歌・考正穴法→手太陽経穴主治・手太陽小腸経穴歌・考正穴法→足太陽経穴主治・足太陽膀胱経穴歌・考正穴法→足少陰経穴主治・足少陰腎経穴歌・考正穴法。

 
大成巻七
 手厥陰経穴主治・手厥陰心包絡経穴歌・考正穴法→手少陽経穴主治・手少陽三焦経穴歌・考正穴法→足少陽経穴主治・足少陽胆経穴歌・考正穴法→足厥陰経穴主治・足厥陰肝経穴歌・考正穴法→任脈経穴主治・任脈経穴歌・考正穴法→督脈経穴主治・督脈経穴歌・考正穴法。督任要穴→奇経八脈歌→奇経八脈→十五絡脈歌→十五絡脈穴辯→十五絡脈→十二経筋→五臓募穴→八会→看部取穴→治病要穴→経外奇穴→穴同名異類。

 
巻八
 穴法。(疾患別の治療穴)諸風門→傷寒門→痰喘咳嗽門→諸般積聚門→腹痛脹満門→心脾胃門→心邪癲狂門→霍乱門→瘧疾門→腫脹門(附:紅疽、黄疸)→汗門→痺厥門→腸痔・大便門→陰疝・小便門→頭面門→咽喉門→耳目門→鼻口門→胸背脇門→手足・腰腋門→婦人門→小児門→瘡毒門→続増治法→中風論→初中風・救急鍼法→中風 ・鍼灸秘訣→傷寒→雑病。

 
大成巻九
 治小総要→東垣鍼法→名医治法・瘡毒・喉痺・淋閉・眼目・損傷→鍼邪秘要(刺鍼時の呪文)→孫真人・鍼十三鬼穴歌→捷要灸法→崔氏・取四花穴法→取膏肓穴法→騎竹馬灸穴法→灸労穴法→取腎兪法→取灸・心気法→取灸・痔漏法→灸・小腸疝気穴法→灸・腸風下血法→灸・結胸傷寒法→灸・陰毒結胸→雷火鍼法→蒸臍・治病法→相天法→『千金』灸法→『宝鑑』発灸法→艾葉→艾灸補瀉→艾大小→点艾火→壮数多少→灸法→火先後→灸・寒熱→灸瘡・要法→貼灸瘡→灸瘡膏法→洗灸瘡→灸後・調摂法→医案(楊継洲の治療記録)。

 
大成巻十(小児科など)この順序では悪いのですが原文に従いました。図は本を買ってください。
 保嬰神術→手法歌→観形察色法→論色歌→認筋法歌→面部五位歌→命門部位歌→陽掌図・各穴手法仙訣→陰掌図・各穴手法仙訣→小児→戒逆鍼灸→初生調護→面色図歌→察色・験病生死訣→内八段錦→外八段錦→入門歌→三関→要訣→手訣→六筋→手面図→足訣→治小児・諸驚・推揉等法→補遺→諸穴治法→病症・死生歌→辨三関→嬰童雑症→診脈歌→識病歌→諸症治法→陳氏・経脈辨色歌→論・虚実二症歌→五言歌→附辯→益。


 
当ページの鍼灸大成は、人民衛生出版社の『針灸大成』を基本にしていますが、ところどころに誤字や欠落があって意味が通じないため、台湾、荘育民編著『針灸大成講義』志遠書局(全文が載ってない)、同じく黄明堂の『針灸大成』文光医学叢書、同じく呉損村の『鍼編・針灸大成』世一(誤字が多い)、大陸は林昭庚主編の『新針灸大成』中国中医葯出版社、同じく黒龍江省祖国医葯研究所『針灸大成校釈』人民衛生出版社の六書を比較検討し、一致しない場合は、意味が通じて、最も妥当と思われる文字を選んでいます。そして最終校正は『中国医学大成続集・四十一・鍼灸』上海科学技術出版社92元を参照します。そのため、例えば盖という文字は、「それ」という代名詞の場合は「葢」、瓶のフタという名詞や動詞ならば「蓋」を使っています。
 この五冊のなかで、針灸大成の解説書と呼べるものは林昭庚の『新針灸大成』と黒龍江省祖国医葯研究所の『針灸大成校釈』だけで、その書に基づけば針灸大成の現代語訳もできるでしょう。←つまり、この本が私の一番お勧め。
 色々な鍼灸古典を読みたい方は、『鍼灸名著集成がお勧め。
 『針灸大成』は、それ以前の鍼灸書の集大成といわれ、その前にも後にも、これを上回る本はないという、明代末期に完成した空前絶後の作品です(『鍼灸逢源』などは『針灸大成』の後で出版された本です)。ですから明代末(1601年)に刊行されて以来、清代に28回、民国時代に14回、現代中国や台湾になってから何回も刊行されているベストセラーで、6.8年に一度は新版が刊行されるという大ベストセラーです。鍼灸書として、これと同レベルに刊行されているものは『内経』『難経』『甲乙経』『大成』の四書で、「この四書しか暗記していない」という老中医もいます。台湾では必修の科目とされています。
 下に著者が述べているように、それまでの本を項目別に集めて、自分の考えを加えて解説したものです。
 鍼灸医であった楊継洲が、晩年に口述したことを弟子が書き取ったものとも言われています。
 『内経』時代の鍼手法は寫血が中心で、毫鍼の手法も置鍼か速抜ぐらいしかありませんでしたが、『大成』では切、循、捫、そして龍虎亀鳳の技法、および焼山火や透天涼などの手法も描かれ、現代における中国鍼灸の手技は、すべて、この本から出ていると言っても過言ではないでしょう。原文の文字は、彫師が専門家でないので意味がわからないため、どうしても誤字がありますので、引用された文を調べたり、意味を考えて誤字を訂正しています。そのため訳した後で訂正した原文は、元の形と少し違っていることをお断りしておきます。なにせ誤字のままでは意味をなしませんので。
 『鍼灸大成』は、鍼の世界で、『内経』に匹敵する書物(『内経』は鍼灸だけでなく『傷寒論』の内容も含まれている)なので、是非多くの諸先生方に、本書を翻訳して戴けることを希望します。多くの『鍼灸大成』が翻訳されることで、徐々に不明な部分が明らかになって行き、さらに臨床にマッチした書になることと思います。


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